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第53話 引き受け直した結婚式

مؤلف: 6jay
last update تاريخ النشر: 2026-09-25 08:00:07

蒼葉紡績文化館の中央には、古い織機が3台残っていた。

璃子の父は、まずあの目障りなものを片づけろと言った。新郎の圭介は、残したがっていた。40年間工場を守った従業員を結婚式に招こうと言ったのも、圭介だった。

紗月は2人の前に、決定事項をまとめる表を置いた。

「今日は、デザインより先に決めることがあります」

表には、3つの欄があった。

予算を決める人。

招待客を決める人。

最終承認権を持つ人。

璃子がペンを取る前に、会議室のドアが開いた。

朝比奈グループの朝比奈隆之会長が、秘書を2人連れて入ってきた。

「そういうことは、私に聞けばいい」

娘の結婚式なのに、隆之は璃子を見なかった。紗月に分厚い名簿を差し出した。

「招待客は480人。閣僚級の方々は、こちらの入り口から別にお通しする。式が終わる前に、合弁会社の発表も行います」

璃子の手の中で、ペンが止まった。

「お父さん、120人にするって決め

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    イベント船のデッキでは、スポンサーのバナーを設置していた。杏奈が図面にない位置を指すと、事務所のスタッフは作業員に続けるよう手で示した。「鷲尾社長が決めたんです。中継画面の背景にロゴを入れないと」「ここは新郎新婦が立つ場所です。承認済みの図面では別の位置でした」真帆が着くと、杏奈は同じ説明を繰り返す代わりに、2枚の図面を並べた。事務所の書類には『祝賀演奏のステージ』。ルミエールの案では、挙式を行う場所だった。「この2つを、同じものとして扱っていたんですね」真帆は千紘に尋ねた。「この背景で中継されると、説明を受けていましたか?」千紘は図面を見てから首を振った。「宣伝用の写真を何枚か撮るだけだと思ってました。結婚式全部を放送するなんて、初めて聞きました」「協賛金は2,000万円ですよ。ロゴを外して、そのお金は誰が負担するんですか」事務所のスタッフが割って入った。真帆は、むやみにバナーを剥がせとは言わなかった。作業責任者に設置の一時停止を頼み、使用範囲を確認できる人を呼んだ。「演奏会の契約と挙式の契約が重なっています。このままでは、ご本人が同意していない映像が流れます。先に確認させてください」千紘がケースを置き、手首をさすった。杏奈が近くの椅子を持ってきた。「座ってお話しして大丈夫ですよ」「私のせいで、どんどん面倒になりますね」「違います。まだ決まっていなかったことがあっただけです」真帆は、前日に薫子が出した書類を取り出した。屋外の湿度と違約罰に関する条件は受け入れず、現場確認後に別途合意すると返答してある。そのメールをスタッフにもう一度見せた。「判を押すまで、準備もしないと?」「お互いに、違う結婚式を準備してしまわないためです」千紘の携帯が鳴った。薫子の名前を見て立ち上がりかけた彼女に、真帆が聞いた。「ご一緒したほうがいいですか? それとも、おひとりでお話ししますか?」「一緒にいてください」スピーカーを入れると、薫子はなぜバナーの作業を止めた

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  • 元夫の結婚式を、私が担当することになりました   第169話 任された現場の答え

    挙式が終わると、九条理事長が真帆を呼んだ。祝辞の途中でマイクを受け取ったが、長くは話さなかった。「本日は会場変更で、ご不便をおかけしたかと思います。ご協力いただき、ありがとうございました。準備を担当してくださった宮瀬真帆ディレクターと、スタッフの皆様にも、お礼申し上げます」拍手が起きた。前へ呼ばれた真帆は、頭を下げた。手にはまだ、次の手順が書かれた進行表を持っていた。「衣装をご用意くださった方々と、施設の皆様にも、大変お力添えいただきました。お食事は、ご案内したお席で、どうぞごゆっくりお楽しみください」杏奈が笑い、親指を立てた。隣へ戻った真帆が小声で尋ねる。「短すぎましたか?」「よかったです。料理が出てくるのに、私だって長い挨拶は聞きたくありません」2人は並んで披露宴の入口へ向かった。通りかかった花嫁が、真帆の手を握った。「さっき母が言っていました。次も、宮瀬さんにお願いしないとって」「次は、雨の降らない日だとうれしいですね」「私たちは、旅行から戻ったら写真をお送りします」花嫁は取り忘れた小さな花飾りを取り、新郎に渡した。2人が座ってから、真帆はようやく無線を少し切った。肩を回すと、首がきしむように痛かった。***屋外駐車場にいた御堂英嗣が、蓮司へ声をかけた。雨の中で出口を探していた蓮司が足を止める。「桐生社長も、いらしていたんですね。奥様の部下のイベントまで、お気にかけるとは思いませんでした」「今日は、招待されて来ました」「宮瀬さんは、いい仕事をしますね。私どもが大きなポストをご提案した理由も、おわかりでしょう」御堂に名刺を差し出され、蓮司は受け取って読んだ。だが、今後の提携の話はしなかった。「採用のお話は、ご本人となさってください。絹彩堂の納品取り消しは、別途確認しています」御堂の手がわずかに止まる。「協力会社の事情まで、すべて把握しているわけではありません」「では、ご存じの範囲でお答えいただければ。ここで争うことではありませんから、担当者からの連絡

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